ヘリウムなど圧縮されたガスを吸うと肺から空気が入り空気塞栓症を起こす

テレビ朝日の番組収録中に、ヘリウムガスを吸った12歳の女性アイドルが意識不明の重体になっていたそうです。

脳に空気が飛んで塞栓状態で、脳梗塞のようになってしまったと。

どうしてそんなことになったのか?

危険性と、治療方法、この後の回復の見込みなどについて

 

スポンサードリンク

 

 

圧縮ガスを一気に吸うと気圧で肺胞が破れて空気が血管に入り込む気圧外傷

 

この女の子の陥った状態は気圧外傷による空気塞栓症であると思われます。

 

声を変えるヘリウムガスはボンベの中に圧縮された状態で、酸素を20%含んで注入されています。

これを一気に吸って、20%の酸素以外はヘリウムに変えることで、声帯の動きが変わって妙な声になるので、それを面白がるという遊びです。

12歳の女の子ということで、スタッフの指示に素直に従って思いっきりガスを吸い込んだのでしょうね。

 

しかし、圧縮された空気は気圧が高いので危険なのです。

このボンベから放出されるガスに口を密着させて一気に吸い込むと、肺の中の気圧が瞬間的に上昇します。

これにより、まだ成長過程にある柔らかい肺の中の肺胞のいくつかが弾けてしまったのでしょう。

 

418px-Alveolus_diagram_ja.svg

肺胞の周りには毛細血管がびっしりと広がっていて、空気の中の酸素を取り込んでいます。

ここに高圧のガスが吹き込み、血管の中にたくさんのガスが入ってしまったのだと思われます。

 

血管の中に入り込んだ空気が脳に流れていき、脳の血管に詰まってしまったのですね。

そこから先の脳は、酸素不足に陥る、脳梗塞と同じ状態になりました。

 

 

 

気圧外傷による空気塞栓症はダイバーがしばしば陥る病気

 

空気塞栓症なんて聞きなれない言葉だと思います。

でも、これはある状態の人たちではしばしば起こるものです。

それはスキューバダイビングなど、海に潜る人たちです。

 

海の中では地上よりも高い圧力(水圧)を受けています。

スポンサードリンク

この状態で呼吸しているときに、肺の中の空気は圧迫されて、その圧力なりに小さな体積になっています。

この状態の人が、水中モーターなどで一気に海面まで上昇したりすると、肺の中の空気は一気に膨張します。

そして、肺胞が破ける気圧外傷が発生します。

 

ですから、ダイビングをして、ある程度以上深いところに行った人たちは、ゆっくりゆっくり、浮上してきます。

これはダイビングの上での基本で、ダイビングや潜水作業が始まったころにはこの病気が発生する理由がよくわからずに、亡くなる人も少なくありませんでした。。

(昔は潜水病といわれていました)

 

 

 

空気塞栓症は治せるのか?この女の子の脳は回復するのか?

 

空気塞栓症は脳の血管の中に空気が詰まって血液が流れない状態です。

この状態、けっこう厄介で、脳梗塞のような症状を起こすほどに詰まってしまった場合、簡単にこのガスが抜けることはありません。

 

ダイバーがこの病気に陥った場合には高圧治療室というところで加療します。

圧力を高くすることで、脳の血管の中に詰まった空気の体積を小さくして、症状を軽くしようというものです。

気泡が小さくなれば、その横をすり抜けていくわずかな血液が、酸素の途絶した部分に少しだけですが酸素を届けてくれることが期待できます。

そして、ガスが血液に溶け込んでだんだん容量が減ることを期待します。

 

この女の子がどのような治療を受けているのか、現時点ではわかりません。

ですが、徐々に回復の見込みがあるということなので、明るい兆しはあるのでしょう。

12歳という若さですから、傷んだ脳組織がいくらかばかりでも回復してくれたらいいなと思いますが、場所によっては何らかの後遺症は残るのかもしれません。

 

正確なことは、報告を待ちたいところですが、1月24日に事故が起こって、その10日後にこうして報道されたということ、

それが回復の兆しが見えてきたからだということで、無事に回復してほしいなと祈るばかりです。

 

 

 

ヘリウムガスが危ないのではなくて、高圧ボンベが危ないのです。

 

ヘリウムガスに限らす、酸素ガスでも、高圧で保存されたガスを口に密着させて吸い込むことは極めて危険です。

登山者用の酸素ボンベなども販売されていますが、酸素ガスを口に密着させるのではなくて、鼻の周囲に流して、周囲の空気と一緒に吸い込むようにしてくださいね。

 

皆様お気を付けください。

スポンサードリンク
LINEで送る
[`buzzurl` not found]

ヘリウムなど圧縮されたガスを吸うと肺から空気が入り空気塞栓症を起こす」への4件のフィードバック

  1. ピンバック: 12歳アイドルが番組でヘリウムガスを吸引して意識障害のその後 | 官兵衛の覚え書き

  2. KUMA

    今回の事故の詳細については詳しい情報が回ってきてないのでわかりませんが、潜水病については、気圧外傷の他に減圧症というものがあります。
    高圧下で窒素など気体分子が血液中に溶け込み、減圧下になったときに溶け込んだ気体分子が血液中で気泡化するというものです。

    ヘリウムは、水素の次に小さい分子なので、いろいろな物質に浸透しやすく、液体以外にもゴムなどの個体の有機物質も透ってしまいます。

    今回の事故で考えられる事象として、大量のヘリウムガスを吸引し、数十秒間排気をこらえ、その間にヘリウムガスが浸透し、減圧症と同等の症状を負った可能性もあります。

    返信
    1. crokan 投稿作成者

      KUMAさん

      コメントありがとうございます。
      窒素酔いですね。

      なるほど、肺の中に溜めこんで我慢したがためにヘリウム酔いも起こってしまったという可能性ですね。
      考えがいたりませんでした、コメント大変ありがとうございます。

      海外ではヘリウムを充填した風船から吸って意識を失ったり歩けなくなったりする症例もあるようです。
      そちらは酸欠にしては症状が変だと思っていましたが、
      なるほど、ヘリウム酔いだと考えれば納得できる気がします。

      勉強になりました、ほんとにありがとうございます。

      返信
  3. ピンバック: [いしき]【芸能】意識十分戻らず ももクロ妹分12歳アイドルが意識不明、ヘリウム吸い救急搬送 ★4掲示板レスマトメ速報版ゼロ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です