デング熱は野良猫にもネズミにも感染しません、ヒトと一部の蚊だけです

デング熱ウイルスが代々木公園で拡散したということで、公園に住む野良猫やクマネズミがウイルス保有動物なんじゃないかと騒いでいる方々をお見かけしました。

でも、それは間違いです。

デング熱ウイルスが感染するのはヒト、サル、そしてヒトスジシマカなどの一部の蚊だけです。

どうしてでしょうか?

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鳥インフルエンザがヒトで感染爆発していない理由

 

2003~2004年ごろから、H5N1というタイプのインフルエンザウイルスが話題になってきました。

これは香港で最初にヒト(人間)への感染が報告されたインフルエンザウイルスですが、基本的には鳥の間でだけ感染していたものです。

鳥の間での感染でも強力な毒性で、養鶏業者や一部の研究者の間では話題になっていましたが、それがヒトにも感染する能力を獲得したということで大騒ぎになったんです。

 

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“Rooster portrait2” by Muhammad Mahdi Karim (www.micro2macro.net) Facebook – Own work. Licensed under GNU Free Documentation License via Wikimedia Commons – http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rooster_portrait2.jpg#mediaviewer/File:Rooster_portrait2.jpg

 

つまり、インフルエンザと言っても、鳥にしか感染しない、鳥と豚に感染する、鳥と豚と人に感染する、など、感染できる動物は異なるのが普通です。

元々は鳥の間で流行していたのがインフルエンザウイルス、これが変異を繰り返すことで豚に感染するようになり、さらに豚の中で変異を繰り返すことで人にも感染するようになるのです。

 

これ、どうしてなのか?

 

答は簡単で、ウイルスが動物に感染するときに、ウイルスはその動物の特定の細胞に出ている特定の物質にくっついてその細胞に憑りつくからです。

 

簡単にたとえると、ウイルスは細胞に入り込むために鍵を持っていて、その鍵が合致する鍵穴を持つ細胞にだけ入り込むことができるのです。

その鍵の形が変わると、他の生物に感染できるようになるというわけですね。

鳥インフルエンザが恐ろしがられながらも、いまだに人の間で感染爆発していないのは、鍵の形が完全に人の細胞に向いた形にまだ変異していないからです。

 

 

デング熱ウイルスは蚊の間で、蚊とサルの間で進化してきた

 

デング熱ウイルスがオリジナルにはどの生物を宿主として進化してきたのかは、今の段階ではわかりません。

もともとは、蚊に感染するウイルスだったのか、それともサルに感染するものだったのか。

可能性として想像できるのはふたつですが、ひとつだけが正しいと私は思います。。

 

ひとつめ。

熱帯で長い世代にわたって蚊から蚊へと垂直感染で伝わっていたものが、いつしか蚊が吸血する特定の動物(この場合はサル)の細胞に憑りつくことができる変異を獲得し、爆発的に増えたということです。

これはデング熱ウイルスに限ったことではなく、デング熱ウイルスとよく似たチクングニア熱ウイルスや、我々日本人がかつて悩まされた日本脳炎ウイルスにも言えることです。

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おそらくは、蚊の間で広がっていたものが、蚊が血を吸う動物に感染できる変異を獲得したものであると考えられます。

 

ふたつめ。

もう一つは、元々サルのウイルスであったという可能性。

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“JapaneseMacaqueM2218”. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ – http://commons.wikimedia.org/wiki/File:JapaneseMacaqueM2218.jpg#mediaviewer/File:JapaneseMacaqueM2218.jpg

それが蚊に適応するようになって、それを蚊が拡げた、ということです。

 

ですが、この話には無理がありますよね。

だって、サルが最初なら、サルからサルに移ってしかるべきです。

ところが、デング熱ウイルスはサルからサルへの感染は、妊婦から胎児への垂直感染を除いては確認できていません。

 

その一方で、ネッタイシマカやヒトスジシマカでの垂直感染は確認されています。

つまり、もともとは蚊に寄生して増えるウイルスだったと思われるのです。

 

 

公園の猫やネズミはデング熱を媒介しない

 

で、結局何が言いたいかというと、公園の猫ちゃんたちは無実だということです(笑)。

 

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猫ちゃんの餌食のクマネズミたちも無実です。

 

デング熱ウイルスを拡散しているのは、人間だけです。

(蚊から蚊へも感染していると思うけど、メインではないのでしょう。)

 

ただし!

ウイルスを直接マウスの脳内に摂取するなど、強制的にウイルス粒子をたくさん放り込むと増殖して症状が出ます。

それは自然ではほとんどありえないことですが、実験的には様々な生物に感染可能ではあります。

(デング熱に感染している人をザクザク噛んで、その人の血を口いっぱいにつけた野良猫が即座にクマネズミを噛んだら、クマネズミに感染する可能性があるということです。)

 

これは、アジアで鳥インフルエンザに感染している人のほとんどが養鶏業者や肉の解体業者とその家族、あるいは家禽として鶏を飼っている家族など、鳥と濃厚に接触することで鳥インフルエンザウイルス粒子をたくさん吸う機会のあった人だけだ、という事実からもわかります。

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