デング熱 軽いとどんな症状なのか? 対処方法は? 市販のお薬は?

2014年8月から始まった代々木公園を中心としたデング熱感染者の拡大。

今のところ、明らかに発症した人だけが把握されていますが、症状が軽くて把握されていない人や、症状がほとんどない人も大勢いると思われます。

ヒトスジシマカに刺されて、もしかして?

軽い症状のある人がどのように対処すればいいのかについての備忘録です。

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ウイルスに感染しても症状が軽い人たち

デング熱に限らず、ウイルス感染に対して出てくる症状は個人差がすごく大きいです。

インフルエンザでも、家族5人中4人が高熱でうんうん苦しんでいても、1人だけは微熱で普通に動ける、なんてこと、ありますよね。

寝込んでいる家族にとってはありがたい存在ですが、ちょっとうらやましい存在でもあります。

 

デング熱でも同じことで、というか、デング熱の場合、感染しても症状が出ないか、軽く済む人の方が多いようです。

どうしてそうなるのでしょうか?

以下は私の推測です。

 

デング熱ウイルスは人間の血液細胞でいえば皮膚にいるランゲルハンス細胞という白血球の一種(抗原提示細胞)にまず感染します。

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“Dendritic cells” by Haymanj – 投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ – http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Dendritic_cells.jpg#mediaviewer/File:Dendritic_cells.jpg

 

ランゲルハンス細胞というのは、皮膚から侵入してきた異物を認識して、それを貪食(食べて消化する)してリンパ節に移動して、リンパ球にその異物の形(抗原性)を提示します。

それにより、リンパ球がその抗原に対する特異的な攻撃準備を始めるのです。

 

ところが、デング熱ウイルスは、このランゲルハンス細胞にとりついてウイルスを増幅させるという手段をとりました。

ランゲルハンス細胞に巣くってその中で増殖しながら、リンパ節まで連れて行ってもらいます。

 

リンパ節まで移動したランゲルハンス細胞がそこでウイルス粒子を多量に放出して、リンパ節にいる樹状細胞やマクロファージ(ランゲルハンス細胞とよく似た細胞)、さらにはリンパ管の中を流れて遠隔地にいる樹状細胞やマクロファージに取り付いて増幅します。

これにより、全身で爆発的に増えることができるわけです。

 

しかし、このランゲルハンス細胞の移動能力や、増殖能力には個人差があります。

健康で免疫力ばっちりな人の方が、デング熱ウイルス的には好ましいです。

元気なランゲルハンス細胞がたくさんいれば、乗り物であり、増殖する巣である細胞がたくさんいるということで一気に増えられますから。

⇒ 重症化しやすい人は元気な若者?

 

それに対してこのランゲルハンス細胞の機能がしょぼかったり、既にほかのウイルスなどと戦っていて数が少ない場合、初期拡大に失敗するわけです。

新一の右腕でとどまったミギーみたいなもんですね(謎)。


寄生獣 フルカラー版(1)

 

ということで、ランゲルハンス細胞の数だとか、リンパ節で乗り移れるはずだったマクロファージや樹状細胞の数が少なかった場合、デング熱ウイルスの増幅はあまりうまくいきません。

そういう場合、症状は軽く済むという可能性が高いわけです。

この理論に従って、対策を考えてみます。

 

 

蚊に刺されても掻かない、痛みでごまかさない

蚊に刺されると痒いですよね。

気が付けばぼりぼり掻いていたりします。

 

これは我々の体が自然に身につけている対策の一つです。

「痒い場所には寄生虫が食いついているから掻き落とせ!」

というシグナルなわけです。

蚊は刺してすぐにいなくなりますけど、ダニであればいつまでも食いついてますから、その存在に気がついてそこを掻くというのは理に適っています。

 

ところが、この掻くという行動、痒みを紛らわせるだけでなく、もう一つ別の反応を引き起こします。

かきむしった部分の皮膚の免疫系の活性化です。

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かきむしると、角質がはがれて皮膚は再生を促されます。

それだけでなく、バリアが壊れるので、免疫細胞を集めて防御反応しようとしますし、すでに異物を食べたランゲルハンス細胞は急いで最寄りのリンパ節へと移動します。

 

これは効率よく免疫反応することで我々の体を守っているわけですが、これがデング熱感染の場合にはあだとなります。

かきむしればかきむしるほど、デング熱ウイルスが増殖する反応も強くなり、症状も重くなることが考えられるわけです。

蚊に刺されると、痒くなるのが嫌だからと言って爪で刻印のように×点をつけるという人もいらっしゃいますが、それ等さらに危険な行動ですね。

 

お勧めのかゆみ止めは、冷やすことです。

水をかけて冷やす、冷えるタイプのかゆみ止めで冷やす、など。

そして、かかずに我慢していれば、30分ぐらいで痒みは軽くなることが多いです。

 

 

それでも微熱が出たらどうする?

ヒトスジシマカにされても掻かないようにして我慢して、それでも、のどの痛みなどの上気道症状を伴わない発熱があった場合にはどうすればいいのか。

発熱の3日~7日前に蚊に刺されていて、それが代々木公園近辺であったり、感染者が報告されている地域で蚊に食われた、ということであれば、黄色信号です。

 

38度を超える発熱があったら迷わず近医を受診しましょう。

蚊に刺されたことも告げてください。

 

もしも37度台の発熱だった場合にはどうすればいいか?

これ、とりあえずは様子見でいいです。

デング熱以外の原因で熱が上がることもありますので、決めつける必要はないです。

 

この場合、解熱剤として使ってよいのはアセトアミノフェンだけです。

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“Paracetamol-from-xtal-3D-balls” by Ben Mills – 投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ – http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Paracetamol-from-xtal-3D-balls.png#mediaviewer/File:Paracetamol-from-xtal-3D-balls.png

 

そのほかの一般的な解熱剤を使うと、もしもデング熱であった場合にはライ症候群という怖い副作用が出ることがあります。

(サリチル酸がミトコンドリアに働きかけることによります)

 

アセトアミノフェンとして市販されているのは

1.カロナール、アンヒバ

2.小児用バファリン、ノーシンホワイトジュニア

などです、私が知っているのは。

 

解熱剤として使うなら、これらの薬で考えてください。

基本的に、14歳以下向けの薬ならアセトアミノフェンだけのことが多いようです。

 

大人向けの薬では、アセトアミノフェンが主剤となっていて、他の薬が入っている解熱剤もありますが、それらは使ってはいけません。

例えば、アセトアミノフェンにエテンザミドとカフェインを加えたACE処方の薬がありますが(たとえばノーシンなど)、使わないようにしてください。

 

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“Ethenzamide” by Fvasconcellos – 投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ – http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ethenzamide.svg#mediaviewer/File:Ethenzamide.svg

 

エテンザミドはほかの解熱剤に比べれば胃腸障害を起こしにくいというだけで、最終的な代謝産物にサリチル酸が含まれます。

つまり、ライ症候群を引き起こす可能性があります。

ですから、デング熱かもしれないという患者さんにエテンザミドを使ってはいけません。

 

残念ながら、ネットには間違った情報を書いているサイトもあります(アセトアミノフェンの説明の文章をそのままコピペでエテンザミドの説明としているページがあります、エテンザミドで検索すると検索上位に表示されます)。

くれぐれもご注意ください。

 

そして、もうひとつ。

 

熱が引いた後に発疹や点状出血が出たら、やはりデング熱である可能性があります。

その場合には症状がなくても、すぐに病院を受診してください。

もしも重症化するときは、発疹が出た後から重症化が始まりますので。

 

 

デング熱を持つ蚊に刺されたかも、というときの対策のまとめ

1.蚊に刺されても掻かずに我慢する、どうにかしたければ流水で冷やす。

2.38度以上の熱が出たら速攻で病院に。微熱があって微妙なら、アセトアミノフェンを飲んで様子を見る。

3.微熱が引いた後に発疹や点状出血があったらすぐに病院受診を

 

よろしくお願いいたします。

 

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デング熱 軽いとどんな症状なのか? 対処方法は? 市販のお薬は?」への2件のフィードバック

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