インフルエンザ 予防接種 妊婦も安全?してもいいの?

インフルエンザの予防接種、毎年のことですが、ちょっと面倒くさいですよね。

でも、感染したら重症化する恐れのある人はワクチンの注射を受けておいた方が安心です。

子どもと、高齢者と、そして妊婦さんもなんですよ。

 

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インフルエンザワクチンを注射する意味があるの?

 

まず最初に書いておきますけど、インフルエンザワクチン、打ったからといって、インフルエンザにかからなくなるわけではありません。

インフルエンザにかかっても重症化しない免疫ができるだけです。

 

投与後平均して二週間で免疫ができて、平均して5か月間、効果が持続します。

10年も20年も効果がビシバシ継続するような強力な予防注射ではありません。

だから、毎年毎年打つ必要があるのですね。

 

毎年ワクチン接種するもう一つの理由は、毎年、ウイルスの遺伝子配列が変異するからというのがあります。

去年流行ったウイルスと全く同じ遺伝子配列のウイルスは、今年は流行らないと考えていてよいです。

去年と少し配列の変わったウイルスは流行るかもしれませんし、ここ数年間、ほとんどはやらなかったウイルスがはやるかもしれません。

 

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ただし、一定周期で流行るウイルスの基本形は繰り返されるという統計も、一応あります。

だから、毎年、流行ると予測されたウイルス株に対するワクチンが作成されて、摂取されるのです。

 

「毎年毎年ワクチンを接種しても、半年ちょっとで効果が消えるの?そんなの空しいからやめる。」

そう思うかもしれませんけど、実は、弱い免疫は残ります。

 

例えば、30年前に流行ったのとよく似たウイルスがはやると、30歳過ぎの人の多くはかかっても症状が軽かったりします。

直前にワクチンを打った人ほどではありませんが、効果があります。

 

それがよく分かったのが2009年の新型インフルエンザ(H1N1)の流行です。

あのウイルス、実は1918年~1919年に世界的に大流行したスぺイン風と、偶然、一部の遺伝子配列が似ていました。

そして、90歳以上の高齢者は、あの年、新型インフルエンザに感染しても症状が軽かったり、死亡率が80代の人に比べて低かったりしたのです。

 

ですから、数十年先の保険という意味でも、毎年いろんな方のインフルエンザワクチンを注射されるのには意味があるのです。

ということで、今年もインフルエンザワクチン、積極的に受けましょう。

 

 

 

妊婦さんは積極的にインフルエンザワクチンを接種すべきというのが世界の常識

 

世界的に、妊娠中の女性は積極的にインフルエンザワクチンを接種されるべき人たちであるとされています。

これは2001年からアメリカの疾病管理センターから公式に声明が出されていますし、産婦人科や小児科の学会でも常識になっています。

 

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そもそも、妊娠中はインフルエンザウイルスに感染すると重症化しやすいのです。

特に妊娠後期にインフルエンザに感染すると、早産する危険性が高まりますし、お母さん自体も重症化して命に関わる事態が増えるという報告があります(欧米での報告です)。

これは、インフルエンザウイルスの感染が妊婦さんの免疫系を激しく活性化してしまうことが一つの原因だと考えられています。

 

「ということは、インフルエンザワクチンを接種しても免疫が刺激されて危険なんじゃないの?」

 

お、するどいですね。 (*´ω`)

でも大丈夫なのです。

免疫の過剰な活性化は、ウイルスに感染した時には起こりますが、不活化ワクチンを投与しても起こりません。

 

日本で認可されているインフルエンザワクチンは、ウイルスをバラバラに壊して処理したものですから、ワクチンを接種してもそれから感染することはありません、その意味でも安全です。

妊婦さんがインフルエンザに感染しても、重症化する確率が下がります。

ワクチンを接種していない人でも一定の確率で流産や早産は発生しますが、妊娠中に、インフルエンザワクチンを接種しておくと、早産する確率も下がるというのですね。

(その確率は変わらない、という報告と、確率が下がる、という報告の二種類ありますが、早産する確率が上がるという報告はありません。)

 

・・・わかりにくくてすみません。(;^ω^)

 

要するに、

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1.妊婦さんにインフルエンザワクチンを注射しても、その副作用で流産したり、妊婦や子供にウイルスが感染したりすることはない。

2.ワクチンを投与された妊婦さんは、投与されなかった妊婦さんに比べると、インフルエンザに感染した時に重症化しにくい。

この二つがわかっているということです。

 

日本人は、マスコミのわけのわからない煽りもあって、ワクチン接種にものすごく神経質です。

「理屈はよくわからないけど、なんであれ、妊娠中に予防注射を接種するなんて、自然にはあり得ないことをするのはもってのほかだ!」

そう思って、インフルエンザワクチン接種を拒む妊婦さんが少なからずいらっしゃいます。

 

実は一般の人だけでなく、年配のお医者さんの中にも不勉強でよく知らない方がいらっしゃいます。

そういう先生方もワクチンを打ちたがらないのですが、厚生労働省の告知ぐらい読めよ、と言いたくなります。

 

厚生労働省の説明のPDFへのリンクを貼っておきますね。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0212-6l.pdf

読んでみたら、ワクチン接種が安全で有益なこと、納得していただけるとおもいます。

 

英語の論文が読める方はこちらもどうぞ

PLoS Med. 2011 May;8(5):e1000441. doi: 10.1371/journal.pmed.1000441. Epub 2011 May 31.
Maternal influenza immunization and reduced likelihood of prematurity and small for gestational age births: a retrospective cohort study.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21655318

 

3年前の論文ですが、今もコンセプトは同じです。

無料で読めます。

 

 

 

妊婦さんが受けてはいけないワクチンもあります

 

インフルエンザワクチンは、妊婦さんが積極的に受けた方が良いワクチンですが、妊娠中に接種すべきでないとされるワクチンもあります。

 

例えば風疹に対するワクチン

 

風疹は、妊娠初期の妊婦さんが感染すると、赤ちゃんの耳の発達が障害されることがあります。

先天性風疹症候群といって、生まれつき難聴の子供や、白内障の子供が生まれることがあるのですね。

 

風疹に対するワクチンは、インフルエンザに対するワクチンとは異なり、ウイルスを壊したものではなくて、弱毒化したものです。

つまり、非常に毒性の弱いウイルスに感染させることで免疫をつけようというものです。

 

幸いなことに、妊娠中の風疹ワクチン投与が原因で子供が先天性風疹症候群になったという症例はまだ一例も報告されていません。

でも、理論上は100%安心だとは言えないので、妊娠中の風疹ワクチンの投与はお勧めできません。

妊娠している可能性がある人には、風疹の予防接種はしません。

(だから、中学3年生の女子に接種が勧められるのです。)

 

繰り返しになりますが、インフルエンザワクチンは、ウイルスを薬品で処理してばらばらにしたものです。

理論上は、接種しても感染することはあり得ません。

 

 

妊婦にインフルエンザワクチン注射しても安全なのは、日本人でも確認されています

 

「妊婦にインフルエンザワクチンを投与しても安全で、むしろ積極的に注射すべきというのは欧米の話で、日本人ではまだデータが出てないと聴いたわよ?」

と、おっしゃる方もいらっしゃるようですが、日本人でも安全であるというデータは出ています。

 

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2009年に、国立成育医療研究センターの研究チームから発表されています。

J Med Virol. 2009 Nov;81(11):1923-8. doi: 10.1002/jmv.21620.
Relationship of Th1/Th2 cell balance with the immune response to influenza vaccine during pregnancy.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19774681

 

ボランティアの妊婦さんたちに接種をお願いしたのですね。

アメリカなどの報告から遅れることおよそ10年ですが、ちゃんと報告されています。

ですから、おなかの中の子供のことを思えば、妊婦さんは積極的にワクチンを打ってほしいなと思います。

 

ですが、

 

「理屈なんか聞きたくない、聴いてもわからないし。

ともかく、なにがなんでも妊娠中はワクチンを打ちたくないの。」

 

そうおっしゃる妊婦さんへの無理強いはしません。(;^ω^)

各自でご判断ください。

 

 

なお、地域で指定された産婦人科でのみ、保存剤(防腐剤)の入っていないインフルエンザワクチンの注射が受けられます。

防腐剤が入っているワクチンを接種しても安全だという研究はあるのですが、防腐剤に使われている金属(アルミニウム)が、子どもの脳神経の発達に悪影響を及ぼすという動物実験の報告もあるので、それを気にする人のために国が一定数、用意しているものです。

かかりつけの産婦人科にお尋ねください。

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インフルエンザ 予防接種 妊婦も安全?してもいいの?」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: インフルエンザワクチン 接種してもかかることがある 受ける意味あるの? | 官兵衛の覚え書き

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