エボラウイルス 感染しやすいのはアトピー性皮膚炎・乾燥肌の人

西アフリカで猛威をふるい続けているエボラウイルス感染症。

いつか日本にも来るかもしれません。

そのとき、実は日本人の中でも、感染しやすいだろうと思われる人たちがいます。。。

 

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感染しやすい人はウイルスの入り口が開いている

 

エボラウイルスは接触感染と言って、患者の体液に触れた場合に感染することが知られています。

前の記事でも書きましたが、マクロファージや樹状細胞といった、白血球の一種にエボラウイルスは感染しやすいことがわかっています。

患者の体液が、あなたの皮膚にかかって、それがあなたの体の中の白血球に届くと、感染が成立するのです。

 

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でも、通常は皮膚の表面に白血球はいません。

皮膚の表面は乾燥しているので、そんなところにいたら白血球は死んでしまいますから。

それどころか、他の細胞もいません、表皮細胞さえも表面にはいないのです。

 

皮膚の一番外側は、表皮細胞が分化してできた角質と呼ばれる硬いたんぱく質と、皮脂腺から分泌される皮脂とにおおわれています。

さらに、表皮最外層と、その一つ下の細胞層との間には、タイトジャンクションと呼ばれる、水を簡単に通さない特殊なバリアが設置されています。

これらが表皮や白血球を構成する細胞の乾燥を防いでくれているわけです。

全部ひっくるめて、皮膚バリアと言います。

 

ところが、生まれつき、この皮膚バリアが少し壊れている人たちがいます。

角質を構成するたんぱく質の一つが生まれつき欠損していたり、皮脂の分泌が少なかったりする人たちですね。

サメ肌と呼ばれる、少し皮膚のざらざらした感じの人たちに多いのですが、こういう方たちはアトピー性皮膚炎を起こしやすいことで知られています。

 

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たとえば、日本人の8%程度はフィラグリンというバリアタンパクを欠損していて、この方たちは欠損していない方々に比べると2~3倍ほどアトピー性皮膚炎を発症しやすいのです。

Common loss-of-function variants of the epidermal barrier protein filaggrin are a major predisposing factor for atopic dermatitis.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16550169

こういう方たちは、角質の密度が粗いために、ウイルスやPM2.5のような非常に小さな物質が簡単に角質の深いところまで入り込み、表皮細胞や白血球に接触することができます。

このため、接触感染が成立しやすいのです。

 

 

 

表皮の中にいるランゲルハンス細胞は侵入してくる敵に常に備えている

 

我々の表皮組織の中にはランゲルハンス細胞という白血球の一種がいて、体の表面の免疫監視役を担っています。

(ちなみに、インスリンを作ってるのは膵臓のランゲルハンス島のβ細胞で、まったく別の細胞です。)

 

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ランゲルハンス細胞は表皮の隙間に等間隔でびっしり並んでいて、さらに樹状突起と呼ばれる突起をあちこちに伸ばしています。

この樹状突起はセンサー機能を備えていて、表皮の中に細菌などの異物が入ってくるとそれを感知して取り込み、ばらばらにして、その一部(異物のかけら)を自分の細胞膜表面に提示します。

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提示された欠片は、リンパ球によって認識され、その異物にくっつく抗体が効率よく生産されます。

 

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ランゲルハンス細胞が表皮の中にいて、外からの侵略者に対してすぐに反応するからこそ、外敵にすかさず反応できるというわけですね。

 

2009年に慶応大学の皮膚科の先生たちが、このランゲルハンス細胞が、表皮細胞の隙間だけでなく、角質の中にも突起を延ばすことを報告しました。

External antigen uptake by Langerhans cells with reorganization of epidermal tight junction barriers
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2806471/

 

角質がしっかりしているときにはランゲルハンス細胞は表皮の中にとどまっているのですが、角質が壊れて危険信号が伝わると、表皮組織の中から、角質へとその樹状突起の先端を突き出すことが研究で示されたのです。

バリアが壊れたということは、異物が入ってきたのだと考えられますから、ランゲルハンス細胞は急いで外敵に備えるわけですね。

 

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生まれつき皮膚バリアの弱いアトピー性皮膚炎の人の皮膚では、ランゲルハンス細胞がしょっちゅう、外界と接触するために突起を伸ばしていると思われます。

 

 

 

明らかに皮膚バリアの機能異常がある人はエボラ発症者の看護をするべきではない

 

角質が壊れたら異物が入りやすい、でも、それに備えてランゲルハンス細胞が働いてくれる、これは免疫的にはよいことです。

 

・・・ですが、困ったことに、

エボラウイルスはランゲルハンス細胞などの抗原提示細胞をターゲットにしています

壊れた角質の中にランゲルハンス細胞の樹状突起の先端がにょきっと顔を出していたら、エボラウイルスは大喜びでそこから感染するはずです。

 

もしも患者さんのケアに当たる看護師さんが生まれつき皮膚バリア機能が弱い人であった場合、彼女はバリア機能が正常な人よりも高い確率でエボラウイルスに感染する可能性があります。

 

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もちろん、患者さんの体液にぜったい触れないという保証があれば、皮膚バリアの強い齢は関係ありません。

でも、アメリカ、スペイン、フランスの看護師さんたちが万全の態勢で臨んでも感染してしまったように、絶対に体液に触れないという保証はできません。

 

もしも触れてしまったときには、皮膚バリアの弱い人の方が、感染する可能性が高くなります。

そう考えると、明らかに皮膚バリア異常を持っている、生まれつき乾燥肌の人や、子どものころにアトピー性皮膚炎だった人は、たとえ医療関係者であったとしても、エボラウイルス感染疑いの人の看護業務などからは外してもらうべきだと思います。

 

なお、この記事は、このサイトの管理人の個人的な意見であり、研究や学会発表などで証明されたものではありません。

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エボラウイルス 感染しやすいのはアトピー性皮膚炎・乾燥肌の人」への2件のフィードバック

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