インフルエンザワクチンの副作用のギランバレー症候群が起きる理由

インフルエンザワクチンの季節が来ました。

早めのワクチン接種が有効ですよ、5か月は有効なので、今から接種したらちょうど4月中旬まで効きます。

でも、副作用が心配?

一番怖い副作用とされているギランバレー症候群についての備忘録です。

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副作用のないワクチンは存在しません。

 

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最初にお断りしておくと、副作用のないワクチンは存在しません。

これは、副作用のない薬は存在しない、というのと同じです。

もっと言いかえると、「絶対に誰も急性アルコール中毒にならないお酒」は存在しない、というのと同じなのです。

 

日本人にはけっこうたくさんいますよね、ビールを一口飲むだけで真っ赤になって、フラフラになる人。

そういう人は、注射の時のアルコール綿での消毒でもアルコール綿で拭いたところが真っ赤になったりします。

こういう方々は、生まれつき、アルコールやその分解産物のアルデヒドを分解する酵素が欠損しているのです。

そういう人たちにお酒を飲ませるのは危険であること、皆さん、よくご存じだと思います。

 

お酒だけでありません、あらゆる薬に関して、同じことが言えるのです。

 

どんな薬であっても、その薬がうまく分解できなかったり、その薬で他の人では起きない反応が起きる人がいます。

これが数百人に一人の割合でいれば、その薬の臨床実験(ボランティアで行う)の時にわかるので、薬は市販されることはありません。

数千人に一人から数万人に一人の割合だと、運が悪いと臨床実験のときにそれに気づかれない可能性があります。

その薬が市販されて、数十万人が服用した時に、ようやく、副作用が発生する人がいることがわかり、それがどんな副作用なのかわかるというわけです。

 

ですから、ある程度の確率で副作用が発生するのは避けられないことなのです。

数万人に一人、数十万人一人の体質を持っている方の場合、注射してみるまで、それが発生するかどうかわかりません。

 

一方で、インフルエンザに感染すると、0.2~0.3%の人はそれが原因でなくなります。

1000人に2~3人が亡くなる計算になります。

 

数万人から数十万人に一人発生する重篤な副作用に当たってしまうかもしれない危険性と、

1000人に2~3人死ぬかもしれない病気にかかる危険性と、どちらを選ぶのか。

ワクチンを接種するとはそういうことなのです。

 

病気になった時に薬を飲むということも同じことです。

市販の解熱剤であっても、ライ症候群のような致死率の高い副作用が発生することはあるのですから。

そのことはまず、各自で知っておいてください。

医療を受けるのはすべて自己責任で判断すべきだとわたしは思っています。

 

 

 

ギランバレー症候群はインフルエンザワクチンで起こりやすいのか?

 

大原麗子さんやホタテマンの安岡力也さんはギランバレー症候群に苦しみました。

ギランバレー症候群というのは、手足に力が入らなくなったりしびれたりする病気です。

これは、自分の免疫システムが自分の末梢神経を攻撃するために発生する自己免疫病の一つだと考えられています。

 

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この原因としてよく知られている病気の一つが、キャンピロバクター感染症です。

キャンピロバクターというのは激しい下痢を起こす感染症ですが、多くの人が知らないうちに感染していることが多い細菌です。

野良猫が感染していることが多くて、公園の砂場はけっこう高い確率で汚染されていると言います。

 

多くの人たちは、子どものうちに感染してお腹を壊して、免疫を持っています。

ところがこのキャンピロバクターに、砂場で遊ぶような小さな子どものころに感染しないで、少し成長してから感染してしまうと、けっこう強い免疫反応が起こるのではないかと考えられています。

そして、困ったことに、この細菌の持つ糖たんぱくの構造が、末梢神経を取り囲んでいる鞘(さや)となる脂質たんぱくの部分の構造と似ているのですね。

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キャンピロバクターに感染して、その最近の糖たんぱくに対して攻撃するように頑張っていた免疫細胞が、間違って自分の末梢神経の鞘を攻撃してしまうんです。

それで、末梢神経がやられて、筋肉が動かせなくなったり、痺れたりしてしまうのです。

 

実は、インフルエンザワクチンや、インフルエンザウイルスの糖たんぱく(ウイルス粒子を入れているカプセル)の構造も、キャンピロバクター同様に、末梢神経の構造に似ているようなのです。

特に、2009年に新型インフルエンザとして登場したH1N1ウイルスの糖たんぱくは、末梢神経の構造に似ているらしいのです。

それで、ワクチン接種でギランバレー症候群になってしまう可能性があるというのですね。

 

 

激しい下痢や、お腹に来る風邪症状のあったときには注意

 

その後、インフルエンザワクチンを接種した時に、どんな人でギランバレー症候群が起こりやすいかのリサーチがなされました。

反対意見もあるのですが、いくつかの症例報告で明らかになったのは、

「キャンピロバクターに感染して6週間以内にインフルエンザワクチンを接種すると、そうでない人よりも明らかに高い確率でギランバレー症候群が発生しやすい。」

という事実です。

 

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キャンピロバクターに感染すると、免疫システムがそれに対して臨戦態勢で準備します。

再びやってきたらすぐにやっつけるためですね。

そこに、キャンピロバクターにちょっと似ているインフルエンザワクチンが注射された。

 

「またきやがったな!てやんでい!返り討ちにしてくれらあ!」

とばかり猛攻撃を始めた免疫システム、興奮して手当たり次第に攻撃するので、似ているものは何でも敵とみなします。

それで、自分の末梢神経まで攻撃してしまうというわけです。

 

これに関しては、この関連性(キャンピロ感染+ワクチンの相乗効果)があるという報告と、ないという報告があります。

それは、母集団の違いによるものが多いと思います。

生まれつき、キャンピロバクターやインフルエンザウイルスのエンベロープに似ている構造の脂質タンパクの多い末梢神経を持つ人たちがいて、その人たちがギランバレー症候群になりやすいということは予想されます。

そういう人たちが、「キャンピロバクター感染+インフルエンザウイルスワクチン接種」の合わせ技を受けると、ギランバレー症候群をよりおこしやすいというわけです。

 

もしも、研究者が数千人、あるいは数万人を調査しても、たまたまそういう人たちが含まれない集団で調査をすれば、キャンピロバクターに感染しようが、インフルエンザワクチンを接種しようが、自己免疫反応は起こりません。

だから、そういう「遺伝的な素因」を持たない人たちを対象とした研究をしてしまうと、関連性はないという結果になります。

(どういう遺伝子を持つ人たちがキャンピロバクターになりやすいのかがまだわかっていないので、このバイアスは避けられません。数万人に一人しか発生しない病気ですからね。)

 

 

激しい下痢をしたり、お腹風邪の後はちょっと様子見してもいいかも

 

ではどうすればこのギランバレー症候群という副作用を避けることができるのでしょうか?

一つ確実に言えるのは、明らかにキャンピロバクターに感染したのであれば、6週間ほどはワクチン接種を延期することでリスクを減らせる可能性があるということです。

あなたが、遺伝的にギランバレー症候群を起こしやすい体質でなければ、そんな心配は杞憂ですが、もしもそういう体質であったときにはリスクが減ります。

 

もちろん、激しい下痢をしたときにそれがキャンピロバクターなのかどうかなんてわかりませんよね、調べない限り。

ノロウイルスかもしれないし、ロタウイルスかもしれない。

でも、いずれにせよ、シャーシャーと水のような下痢をして苦しんだ経験があるのなら、6週間ほどは間をおいてからワクチン接種する、というのが一つの安全策です。

 

私だったら、そうします。

あ、もちろん、また新たな新型インフルエンザが出現して致死率が高いとかなったら、ギランバレーになるリスクよりも、それで死ぬリスクの方が怖いからワクチン接種しますけどね。

 

最終的には自己判断です。

 

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インフルエンザワクチンの副作用のギランバレー症候群が起きる理由」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: インフルエンザ感染とワクチン接種でギラン・バレーの確率高いのはどちら? | 官兵衛の覚え書き

  2. ピンバック: インフルエンザワクチン 接種してもかかることがある 受ける意味あるの? | 官兵衛の覚え書き

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