認知症になり始めた肉親に会うときに気を付けておくこと

夏休みの帰省でひさしぶりに親戚に会うことになったあなた。

大好きだったおじいちゃんとおばあちゃんに3年ぶりです。

ところが、帰省する前になって親から聞かされたのは、おじいちゃんが認知症になりかけているという言葉でした。

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久しぶりに会った祖父の笑顔はそのままだけど、言ってることが

「おお~祐介ちゃん!元気にしとったね!」

 

久しぶりに会った祖父と祖母。

足が不自由になったということで車いすに乗る祖父とそれを支える祖母の笑顔は変わらないものでした。

祖父も車いすとはいっても数歩の移動ならできないわけではなくて、車の乗り降りは大丈夫です。

元気な祖母の運転する車に祖父を乗せ、車いすをトランクに上げるのを手伝ったら祖父の隣へと座りました。

 

「どげんね、大学は面白かね?」

変わらず話しかけてくれる祖父に近況を話しながら、ふと見ると祖父の口元からは大量の唾液が垂れっぱなしです。

それを拭こうともせず、よく見れば胸元もおなかもあちこち、垂れた唾液や、それと交っていたであろう食べ物のかすで汚れていました。

ダンディだった祖父が、今でもちゃんとした服を着ているのに、汚れっぱなしです。

 

「おじいちゃん、よだれが出てるよ。」

気になったあなたが車内にあったティッシュで横からそれをふき取ってあげようとすると

「ああ?せんでよかっ!やめんか!」

にこやかだった祖父が突然に怒りました。

 

それまで並んで前方を向いて話し合っていたのに、完全にあなたからは顔を背けて窓の外を見るように座り直してしまいました。

そして黙り込んでしまいます。

「ゆうちゃん、ごめんね、おじいちゃんはこの頃ちょっと怒りっぽくなっちゃって。」

助け舟を出してくれた祖母に、祖父はまた声を荒げて怒るのでした。

 

しばらくして、スポーツの話題を切り出すと乗ってくれた祖父。

でも途中からは、懐かしそうに、こう言われます。

「まさのりは昔からスポーツ得意だったけんね、運動会のリレーではいつもクラス代表やったもんね。」

 

・・・それはあなたではなく、あなたの父親の名前とエピソードでした。

 

 

認知症はまだらに進む

まだらボケ、という言葉があります。

ある時にはこれまで通りに普通に会話できるはずの高齢者の方が、あるときには言ってることがおかしくなる。

 

それはおそらく、本人にとっても不安な状況です。

よく知っているはずの人が、すだれの向こうに見え隠れしているような感じで、混乱するのです。

時間的にまだらのこともあれば、記憶が部分的にしか出てこないので、知っている人なのに、誰か正確に認識できなくて困っていることもあります。

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そんなときに、自分の予想外の行動を相手が取ると、認知症になりかけの本人はさらに不安になります。

いきなり横から手が伸びてきて自分の顔をふく。

よだれが垂れていると指摘される。

プライドにも触り、腹が立ってしまいます。

本人の気持ちが常に不安と戦っている、そのことを気にかけてあげなくてはなりません。

 

 

真正面から見て、笑顔を絶やさずに話しかけてあげる

認知症は、以前は「痴呆症」とか「老人性痴呆」とか呼ばれていました。

その呼び方が人間としての尊厳を損なうというので、「認知症」と呼び換えることになりました。

でも、この呼び換え、病気の本体をよく表している良い言葉なのです。

 

認知症では、相手のことを認知する機能が衰えてきます。

まず、物理的にも精神的にも視野が狭くなるケースが多いのです。

それには視野を構成する網膜の細胞が、辺縁から衰えてくるという生理学的な変化も重なるのですが、ともかく、真正面から現れるものでないと認知するのに時間がかかる。

たとえば、突然横から現れたものには驚くのです。

 

でも、人間の根本的な感情は残っています。

喜怒哀楽、安心、不安、そういった感情ははっきりと残っていて、しばしばそれに大きく振り回されます。

だから、認知症になった身内に、久しぶりに会うときには、遠くから、真正面から歩み寄りながら、声をかけることが重要です。

 

「おじいちゃ~ん!ゆうすけです、ごぶさたしてます~。」

遠くから大きな声で、ニコニコ微笑みながら近づいてあげてください。

そして、顔の正面であなたの顔を本人にまっすぐ向けて話します。

 

こうすることで、あなたが自分に敵意を抱いていない、好意を抱いている人間であると認識できます。

自分と親しい間柄の誰かであることが認識できる。

そのうち、相手のことを思い出すこともできます。

 

ただ、それがずっと続くわけではありません。

いつの間にか、さっき認知したことを忘れてしまうのです。

お互いに言葉のキャッチボールを楽しむ形で話し続けることができていればいいのですが、大丈夫じゃないか安心してしまうと、思わぬ行き違いが生じます。

 

真正面から話すのではなくて、横から話す場合には、あなたのことを認知しにくくなっている、そんな状態にあることを忘れないでください。

できれば、そういうときには再び正面に回り込んで話しかけてあげてくださいね。

 

 

久しぶりに会うときに心掛けることのまとめ

認知症はケースバイケースではありますが、久しぶりに会うあなたが気を配るべきことは、

 

1.遠くから、真正面から、笑顔を絶やさずに近づく、手を振るなどして、その人が自分に向かって親しげに寄ってきているのだということを気づかせること。

2.真正面から目を見て、笑顔で話しかけること。

3.突然横から顔をふくなどの、年長者への尊厳を伴わない、びっくりさせる行動をとらないこと。

この三つです。

 

相手への尊敬を失わずに丁寧に真正面から接する、ということですね。

これでコミュニケーションはスムーズにとれるし、懐かしい話をすることもできます。

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認知症になり始めた肉親に会うときに気を付けておくこと」への1件のフィードバック

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